FIFAの項目から見たGKに関する「個人戦術」以外の「スキル」

FOOTBALL

サッカーのことを語る解説者の人はもちろんいらっしゃるのですが、雑誌、個人のブログやサイトって探せばたくさんありますよね。

しかし、なかなかゴールキーパーを評価できる人というのは意外と少ないのです。なぜならば、キーパーの細部はキーパー経験がないとわからないからです。

フィールドプレーヤーがゴールキーパーを評価できるのは、「結果論」でしか話していないからです。

小学1年から高校3年までキーパーをやっていて思うことなんですよ。コレ。

個人的には、全体的な能力を論ずるときには結果で論ずるのはある程度は間違っていないと思いますが、それができるのはプロだけですしね…

細かく論じていけばたくさんの項目がありますし、難しくなります。

が、初回の今回は「総論」として、ゴールキーパーの大まかなスキルをお教えしようと思います。

技術論的なものは今回は比較的控え、別記事にしたいと思います。

GKのスキルと、「個人戦術」

スキルと「個人戦術」って何が違うの?

スキルというのは、選手の能力全般だと考えてもらっていいでしょう。

そのため、「個人戦術」を含めいかなる能力がスキルに加味されます。

しかし、「個人戦術」は、他の単なるスキルとは意味が全く異なります。

これは、GKに限った話ではなく、フィールドプレーヤーにも言えることです。

サッカーの「戦術・戦略」についての基本を書いたので、

個人戦術に関しては、是非以下の記事を参考にしてください。

要点だけかいつまんで説明すると、次のように説明されます。

スキルと「個人戦術」の違い

一般的には、個人戦術はスキルの中に含まれるが、

その中でも、「個人戦術」は少し特別な側面を持っている。

他の単なるスキル…選手個人で完結する能力のこと

個人戦術…「2対1」の判断に依拠して優位性を得る行為のこと

具体的に、GKのスキルってどういうものが挙げられるの?

客観的な評価基準として、ゲームの評価項目を参考に考えてみようと思います。

今回は、その中でもFIFAのゴールキーピング能力を参照します。

左図は、アリソンの特別版の能力値を表しているのですが、参考にしてください。

それぞれの評価項目

FIFAの場合、ゴールキーパーの項目は、DIV, HAN, KIC, REF, SPD, POSの6項目となっています。

省略しないで書くと、Diving, Handling, Kicking, Reflex(反応速度), Speed, Positioningです。

SPDは明らかだと思いますので、の項目についてみていきましょう。

・DIV

アヤックス守護神オナナ「黒人GKには偏見がある」
アヤックスに所属するカメルーン代表オナナ。アフリカンらしい身体能力と足元を兼ね備えたモダンなGKだ。

キーパーの代名詞である横っ飛びのセーブを「ダイビングセーブ」といいますよね。

DIVは、ダイブそのもののうまさ届く範囲などを表していると考えられます

かつてのシュマイケルや、アフリカ系のゴールキーパーは

何でそこ触れるのというようなボールまで触れたりしますが、そういうのを反映しているんでしょうねえ。

ここで、注目したいのは「プレジャンプ」について。

キーパーをよく見ると、ダイブする前に大方、小さくジャンプしていますよね。

この準備のためのジャンプをプレジャンプといいます。

詳しくは別記事でご紹介しようと思います。

シュートを打たれた時に体が浮いていたら反応が遅れます。

このことからもわかるように、シュートにプレジャンプを合わせるスキルも大事だと覚えておいてください。

・REF

ケイラー・ナバスのメディカルレポート | レアル・マドリードCF

「キーパーといえば」な能力である反射神経。

ただ、個人的な考えとしてはブラインドにもなっていない通常のシーンで

反射神経そのもので大きく差がつくことはないと思います。

それこそ、前述のプレジャンプのタイミングの取り方が下手だと頭では反応できても体は動きません。

私は、ボールに反応するために重要となってくるのは、次のようなことだと考えています

  • ボールの行方を予測する能力
  • シュートを打たれる前の姿勢

いわゆるポジショニングを含めた「準備」の段階

実は、勝負の8割は決まっているということを申し上げたいのです。

ここで詳しく述べることは避けようと思いますが、概要だけざっと。

測については、言うまでもがな。経験則といってもいいかもしれませんが、

サッカー改めフットボールというスポーツについて勉強すればわかってくる部分でもあります。

本ブログでもお役に立てるような情報を発信していけたらいいなと思います。

姿勢については、二つの要素があります。重心(足腰)移動と、手の置き方です。

常に前重心でいることって動き出しがスムーズになるので重要なんです。

手も、高めにも低めにも反応できる位置に置いておく必要があります。

(ヒトによって個人差はありますし、状況にもよるので、正解はいろいろあります。)

・KIC

アリソンとエデルソン プレミアが誇る2人のブラジル人ゴールキーパー ...
ブラジル代表が誇るGKのアリソンとエデルソン。ビルドアップ時のエデルソンは目を見張るものがある。

近年、ビルドアップにおけるGKの重要性がどんどん高まりつつあります。

近年では、エデルソンのビルドアップがピックアップされることが多いです。

最近では、こんなパスも話題になりました。

エデルソンのなにがすごいって、この低い弾道で長い縦パスを付けられること。

ミドル・ロングの精度が高く、かつてのビクトールバルデスにも勝っているといわれるほどです。(ショートパスはバルデスに軍配が上がりますが)

ただし、ディストリビューションでも「速攻時」と「ビルドアップ時」は分けて考えるべきでしょう。

速攻時は、精度もさることながら、判断スピードと正確性が求められます。

速攻時の切り替えは、エデルソンに比べアリソンが勝っているといえます。

・POS

小学生年代に必要なゴールキーパー技術 「ポジショニング」 | Cgk・Ogk ...

個人的には、キーパーでこれが一番重要だと思っています。

味方・相手との位置関係を踏まえて

判断するポジショニングの多くは「個人戦術」に当たります。

相手に依存しないスキルとしては、

自分が今ピッチのどのあたりにいるのか俯瞰的にみるスキルがあります。

それ以外は今回の趣旨とは違うということで紹介せず別記事にしようと思いますが、

ポジショニングってやっぱり大事なんだなと思っていただければ幸いです。

・HAN

Santista【サンチスタ】/サッカーユニフォーム/ATHLETA【アスレタ ...

「ハンドリング」って多くの要素からなるので、本来一括りにして能力を出すのは難しいのですが、

これ以上細かい項目は、少なくともFIFAには見当たりません。

そのため、私の経験と独断で考えていくことにします。

ゴールキーパーが手を使う場面は主に3つに分けられるのですが、何の場面だかわかりますか?

  • ①シュートを止める場面
  • ②ペナルティエリア内のボールを処理する場面(ハイボール処理含む)
  • ③スローイング

上の3場面が答えとなります。

各々の場面で使うハンドリングが異なります。簡単に触れておきましょう。

①シュートストップで使うハンドリング

  • キャッチング
  • *手のひらの固いところを使ったはじく技術
  • *指先を使ってはじく技術(強烈なシュート or ループシュート)
  • フィスティング(=パンチング)

*これらの技術は一般的に「ディフレクティング」と呼ばれます。

<これらにかかわってくる重要な要素>

・「手首の強さ」「指の強さ

「手首・指の強さ」は、文字通りの意味ではなく、「いかに関節を前に固定できるか」ということです。

これは生まれつきの要素ももちろんありますが、9割はテクニックなので、練習すれば身に着けられる要素です。

・「どちらの手を用いるか

ワンハンドセーブをする際に、順手でボールにアプローチするのか逆手でアプローチするのかは

セオリーはありますが、判断は一瞬です。その判断あってのハンドリングでしょう。

・「どこに弾くか

ゲームでは反映することが難しい能力ですが、失点に直結しうるという点で、

GKにとって1, 2を争うほど重要だということができると思います。

もちろん一番重要なのは、状況判断の正確性なのでしょうが、

手首・指の強さがあれば、セーフティーにはじく場所の選択肢が増えます。

そういう意味でも手首や指の強さって重要なんですね。

②ペナルティエリアで使うハンドリング

Chelsea season player ratings: Hazard, Terry shine - Premier ...
現レアルマドリードのクルトワ。高い上背を活かしたハイボール処理は世界屈指だ。
  • キャッチング(*特殊な状況での)
  • **パンチング

*ハイボールのキャッチ・ペナルティエリアへのスルーパスの処理など

**近年、「キーパーチャージ」に関するルール改正があり、正当な競り合いならキーパーとも競り合うことが許されるようになったので、パンチングの重要性も高まってきています。

<これらにかかわる重要な要素>

前に出る or 出ない の判断

ハイボールの処理はGKに対して唯一競り合いが許されている場面なので、

苦手意識を持ってしまうと、とことん判断が鈍くなります。

「安全に処理できる」領域・状況を普段の練習から把握しておくことが重要です。

仮に初動を間違ったとしてもすぐに修正することも重要です。

キャッチ or パンチ の判断

空中戦では、キャッチの判断を間違えることが多いです。なぜだかわかりますか?

「高いボールに対しては肘が伸び切りやすいから」なんです。

キャッチする際には、肘のクッションが重要です。

肘のクッションを利用するには、キャッチのする際に肘がそれなりに曲がっている必要があります。

対して、パンチングは肘が割と伸び切っていてもまだなんとかなります。

パンチとキャッチできる範囲は結構違う」のです。

これを勘違いして、「ボールに触れる=キャッチできる」と判断してしまうことが、空中戦でボールをこぼしてしまう主原因となります。

③スローイング

  • スローイング(投げ方複数あり)
The Game Where Alisson Becker Made The World Admire Him!

<これにかかわる要素>

スローに関しては、距離・正確性・ボールにかかる回転・ボールスピード・モーションの時間が重要です。

どこに出すかに応じて適した投げ方を迅速に選択する必要があります。

もともとの肩の強さというのがどうしても影響するのは仕方ないですが、その分はバントキックやキックで補うことも可能です。

ゲームに本当に反映されてるの?なスキル

・1 vs 1 セーブの技術←詳しくは別記事で

中距離や遠距離からのシュートを止めるときには横っ飛びすればいいのですが、

1 vs 1のような近距離では間に合わないと思いませんか?

そのため、近距離からのシュート対応は特に違う技術を求められるのです

<この項目に関係すること>

構え・姿勢をふくめ色々他の時とは異なる点はあるのですが、大まかにいうと

  • 足で対応するのか、手で対応するのかの判断(経験による)
  • 軸足を「抜く」技術(=コラプシングセーブ)
  • 前後の距離を詰めるタイミング
  • 飛んできそうな場所に「壁」を作る技術

などが挙げられます。まあほんの一部なんですが。

今の時代のゴールキーパーは「ボールにアタックすること」が求められます。

しかし、シュートを打たれるときには止まるというのが原則なので、

そこまでにシュートを打たれてもいいように準備をする必要性があります。

その準備の方法が中距離・遠距離のシュートとはちょっと違うということです。

・キーパーのスイーパーとしての能力

ゲームの中では言い換えれば「RES/SPD」で表しているつもりかもしれませんが、

シュートに対する反応とスイーパーとしてふるまう時の反応は全く別物ですし、

キーパーごとに、あるいはチームごとにキーパーの基本位置が変わるというようなことも見られないので、

スイーパーとしての能力がゲームに反映されているとは思いません。

キーパーの動きは合理性で成り立っている

キーパーを評価するのは、経験者しかできないといいましたが、それは

「実現可能性」がピンと来ないからです。

視野を360°カバーしなければいけないフィールドプレイヤーと違い、

キーパーは基本的に前方向の視野しかありません。

さらに、対応する局面もある程度限られてきますので、キーパーはその限られた局面に合理的な動きを叩き込まれます。

だから、キーパーを見るときには、「果たしてこの動きでよかったのか」と

合理性があるのか確かめてもらえればそのプレーの良し悪しは評価できます。

ただし、チーム戦術などの影響で代替案の実現可能性が低い場合には、仕方ないプレーだったというようになるわけです。

今回紹介したスキルを覚えていただけたら、その「実現可能性」の分析に役立つのでは…と思いますので、何となく覚えていただけたら光栄です。

<おまけ>

キーパーやっている人ならグローブはもちろんですけど、

リペアぐらいは買っておいた方がいいと思います。

紹介リンク張っておくので、気に入ったら買ってみては?

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